バスの車窓から
さーもうすでに4年前?の旅日記をなんとなく進めますよ。前日譚はこちら→
ヤンゴンからチャウンタービーチまではバスで。まずバスターミナルへ向かいます。朝もはよから出るっていうからホテルのおっちゃんにタクシー頼んだ。
夜明け前、漁港近くの市場。タクシーの運ちゃんに「フォト!フォト!!」と言われiPhoneで急いで撮った。わたしのデジカメでは暗すぎて撮れず。ガン見されとる。
窓が相変わらず閉まらなくて朝一はさすがに寒くて運ちゃんに「この窓閉められる?」と聞いたらわざわざ車止めて座席ひっくり返す勢いで探し始めてくれた。しかし無いようだ。……何が無いって…窓手動であけしめするときのあれ、ぐるぐるのハンドル。10代の子に言っても通じない気は百も承知だが、車の窓は手作業で開け閉めするのもあるんだよ……しかしすっぽ抜けてるので窓は閉まらないのだ。いいのだ、これがミャンマーなのだ。
バスターミナルに着いて運ちゃんが目的地までのチケット買って寄こしてくれてここでサヨナラ。ヤンゴンからチャウンターまでのチケット代とタクシー代となんかしらを請求され16,400K。たぶん400kはチップだ?あまり通じてないからよくわかってない。
バスの種類もよくわからず与えられたチケットでバスに乗る。日本の昔のバスをそのまま長距離路線バスとして使ってるようで2席を子どもを抱っこしたお母さんと並んで座る。すっげえ狭くて肘置きがずっと当たってて腰骨砕けるかと思った。道路かなりガタガタでお尻割れそうだし。隣のお母さんはわたしが外国人だとわかるとみかんやリンゴをくれた。日本でもよくある相席の風景……まったく言葉が通じないけれどニコリと笑ってくれて、マレーシアではなかった光景。ミャンマー人の笑顔は日本の愛想笑いと同じような感じですごく親近感がわいた。そのお母さんがわたしのバスチケットの料金を見て驚愕して「なぜ?」と。やーこれは外国人料金ですよお母さん…。たしかにこの料金だと現地人は乗れないよなぁ…と思ってたけどやっぱりそうなんですね。現地人はたぶん半額以下です。※なお2011年時点です
後ろ開けっ放しで走るのがミャンマー流。
そしてチャウンターまでの7時間、柄にもなく道中の景色に感動しっぱなしでした。
世界にいくつもあるという宮崎駿の世界観をここでも勝手に感じてしまい、これか…これか…とぶつぶつ独り言と涙を漏らしてました。なんかね、原風景なのよ…。なんでかって電線がほぼないのよね…豊かさとは幸せとは…なんじゃろう、わたしの感動は人の暮らしの不便さの上に成り立ってたのか…って。しんみりしてしまった。この国の軍事政権っていう現状に。自然の美しさとその辺に落ちまくってるゴミとインフラのまったく整ってない暮らしと。そして横でがんがんミャンマーPOPが流れてきてわたしのしんみりタイムは終わった。うん、ミャンマー旅って感じだ。
ちょっと止まるたびにワーとバス周りに集まって乗客は窓の隙間から紙幣をばらまく。なんの祭りだ?と聞いたら「ドネーション!(donation)」。なるほど。バスに乗るくらい裕福な人は貧しい人へ与えなければならないという仏教の基本らしい。買わなくても紙幣だけ撒く人も少なくない。
あー呑み込めない感情がたくさんある。でもこれが来たかったアジアなのかもしれない。
チャウンターに着かなかったね…続きます。