まるかいてさんかく

旅とカメラと妄想と

旅ブルーも吹っ飛ぶほどの馬鹿さ加減

2011.Oct/東京→クアラルンプール(マレーシアの首都)

日本出国の最後に食べたのは羽田空港つるとんたんでした。あまりの物価の高さに貧乏旅行を前にしたわたしは泡吹きそうだった。

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器でけえ肉うどんうめえ高え 今後のアジア飯の10食分のお値段

友達ふたりに見送られながら、ここにきて旅ブルーMAX状態。このまま楽でぬるーく日本で暮らしたいよおおお!なんで明日から宿の心配しながら生きるか死ぬかの瀬戸際にわざわざ飛び込むんだよおおおおおお!いやいや、ぜんぶ自分で決めて選んだんやないか…。生きるか死ぬかの冒険旅なんてするつもりないくせに。ただの貧乏パッカーじゃないの…。まぁそれでも毎日の通勤だけの往復よりはるかに事故は増えそうだが…。

なぜか最後に空港の本屋で新品・めちゃくちゃ分厚くて重たい『地球の歩き方 中国』を追加購入するわたし。中国なんて数ヶ月先まで行く予定ない上に、すぐに使う東南アジア編だって06・07年版の中古だというのに。錯乱が最高潮に達していた。預け荷物にする前にさらに重量を増やす。うぅ…重くて背負ってられない。

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真夜中でもキンキラキンに輝く香港上空と雲の上の眩しすぎる月

羽田空港、深夜便。エアアジアにて早朝のクアラルンプールへ。

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暑ッ!蒸し暑ッ!!

え?日が昇る前からこんな暑い…?

さらに飛行機からそのまま降ろされ空港内へ歩いて行くのも地味にカルチャーショックだった。飛行機経験があまりない上、海外は2度目だったから…(1度目の香港はこんなことなかった)。

クアラルンプールの空港は綺麗だしアジア有数のハブ空港でわかりやすいよ!的な話をどこかで聞いていたから油断していたけど、ここはLCC専用空港。安い航空券を使った者が降ろされる旧国際空港…国際線だろうが空港からの電車もなければ気の利いたインフォメーションもない(シャトルバスはあったらしいが見つけきらなかった)。入国審査を終えた後、どうやって外に出たのか記憶にないし、気づいたら同便の人は見当たらなくなったしいつの間にか夜は明けて太陽があたりを包んでいた。空港内とはいえ半分野外みたいな造りなので冷房もなく、じりじり気温が上がっていく。”アジア”のあまりの衝撃にしばらくボーッと立ち尽くしていた。両替をしたかもしれないが『街中のほうがレートがいい』という旅初心者には実はハードルが高い掟みたいなものを鵜呑みにしてしなかったかもしれない(正しくは少額を交換し大きなお金は街中でするといい)。まったく覚えがない。ただ、航空券とセットで街の中心部行きのシャトルバスを申し込んでいたので、そのバスを探さなければならなかった。わたしは地図が読める女で初めて来た場所でも勘が働く、と思っていたのだが、ここは海外。日本で培った常識は通用しない。頭上にある看板通りに動いても同じ場所に戻ってくるだけだった。

バス停はどこだよ!!!

実は入国して2時間ほど経っている。周りの景色は変わらずとも、人の動きは変わって来た。まずい。このまま1日、空港から出れない羽目になるのでは。危機感とともにバス停探しに本気になる。こういう時、どうということはない。人に尋ねるのがいちばんである。

そこでわたしはあることに気づいた。いや、知ってたけれどその事実があまりに危機感の薄い認識であったことにやっと気づいたのだ。

『英語で人に尋ねられない』オ〜〜〜マイガッ!!

人に道を聞けないのであった。なんにも出てこないのである。かろうじて出て来た言葉が「バス…バス…バス〜〜!」というあまりにもお粗末な事態。すごいな。よく一人で海外旅行をしようと思ったな。バカかな?バカだったな。こういうとき決まって思い出されるのが高校の恩師の『豊かな想像力を持ちなさい』であった。この先の人生でなんども思い出すし反省するけどまた繰り返す。結局、それでもとりあえず聞いたけどやっぱり同じところに戻って来た。でね、行ってない通路を選んで進んだんですよ。そしたらバス停にたどり着いた。まぁこんなもんですわ。

予約したシャトルバスは時間指定がなかったのでありがたく、とりあえず乗せてもらえた。格安航空券なのでもちろん機内食は出なかったし、空港でなにも買う余裕もなかった。これから街まで何時間かかるのかもわからないけどとりあえずバスに乗れたことに安堵した。暑かった。クーラーにありつけた。一気にお腹が空いた。

やっと空港を脱出できた。とりあえず街に向かう。